FUJIFILM FinePix X100のファースト・インプレッション(その2)

前回はネガティブなことを書いたので、今回はX100の良い点を。

(A)描写の素晴らしさ

パソコンのモニターを通して見る画像は、本当に素直な描写で個人的にはかなり好み。
とは言え、キャリブレーションしたメインのiMacが故障中で、旅先で(キャリブレーションしていない)MacBook Airのモニターで見ていただけだし、まだ1枚もプリントしていないので、断定的なことは言えない。

それから、X100のRAWファイルについて、現時点(2011年3月24日)で扱えるソフトは付属のRAW FILE CONVERTER EXのみ。RAW FILE CONVERTER EXを通すと、SILKYPIXらしい綺麗過ぎる味付けになる気がするが、これはまあ好みの問題。
何にしても早くCapture One、Ligthroom、PhotoshopなどでX100のRAWファイルを扱えるようになってほしい。

(B)高感度特性

ISO6400、手持ちで撮影(2枚)

暗いところでも全く三脚がいらない(元々三脚使ってませんがw)。

 

ISO3200で撮影(6枚)

 

ISO1600で撮影(11枚)

これまで高感度に強いデジタルカメラを使ったことがなかった。
X100で未体験ゾーンに突入w。未だ感動の嵐の中にいる(笑)面白くて、ついつい高感度で撮ってしまう。

(追記:2011.03.25)
ノイズがないわけではない。RAW FILE CONVERTER EXが自動的にノイズ処理をしている部分もありそうだ。しかしそれでノイズを消すあまり写真のシャープさがなくなることもない。
意図的にノイズ処理をしなくても露出をやや落とすだけでノイズ感が格段になくなる。
高感度のノイズについてはLightroomかCapture OneでX100のRAWファイルを扱ってみてまた感想を付け加えたい。
(追記ここまで) 

自分の許容範囲として

  • ISO1600まではほとんど問題なし(3200でも結構使える)
  • WEBに載せるだけならISO6400でも使える場合がある

と感じているが、前述のようにまだ一枚も大きくプリントしていないの最終的結論は先送り。

(C)EVFの使いやすさ

ここ数年コンデジをあまり使ってこなかったのはとても個人的な理由から。
老眼のせい(汗)
メガネを外すか、モニターを遠ざけないと背面モニターがしっかり確認できない(涙)けれど手を伸ばしての撮影は、スローシャッターで手振れしてしまう。
しかしX100はメガネをしたまま、EVFで正確なフレーミング、ボケ具合やピントが確認できる。RFと並んで老眼には素晴らしいカメラだ。

(ア)その他

・絞り値

マニュアル露出時、コマンドレバーを使っても絞り値を変えられる。しかし変更範囲は±2/3まで。つまり絞りリングの次の値までは変更できないということ。
絞りリングでは1段ずつしか変更できないので、コマンドレバーで微調整ということなのだろう。絞りリングで1/2か1/3ずつ絞り値が変更できる方が便利だと思う。
ところで、絞り値にもA(オート)があるのはマニュアルを読むまで気がつかなかった(爆)

・バッテリー

仕事の後、午後から夜にかけて数時間使い、毎晩寝る前にホテルで充電、というパターンで使っていた。連続使用で毎回100枚くらいしか撮影していないので、バッテリーの持ちはわからない。しかし100枚くらいではバッテリー表示はほとんど減っていなかったのでかなり持ちそうな気がした(気分)

追記(2011.03.25)

バッテリーチャージャーにバッテリーをはめた時に固定する「スペーサー」が分離タイプになっていて、これが簡単に外れてしまう。これがないと充電中にバッテリーが固定できない。どうして一体型にしなかったのだろう。

追記(2011.04.03)

X100が気に入っている点をひとつ書き忘れていた。
ONにして、レンズが「うにゅ〜」と繰り出さない点。
個人的にはこれはかなり高いポイント(笑)。
なお、マクロモードだとレンズがやや繰り出すが、保護フィルターに干渉しない程度だ。
ただウェブを見ていると、フィルターによってはマクロモードで繰り出したレンズがフィルターに当たってしまいエラーが表示されるらしい。 

以上

FUJIFILM FinePix X100のファースト・インプレッション(その1)

X100はまだたった2日間使っただけ。機能や使い方を十分理解しておらず、以下のファースト・インプレッションには間違っているところがあるかも知れません。もし間違いや便利なTIPSがありましたら、ご指摘・ご教示よろしくお願い致します。

X100の評価ポイント

X100を受け入れられるかどうかは、周知の価格の高さ以外には次の3点がポイントだと思う。

  1. コマンドダイヤルの使い難さ
  2. フォーカスリング(=MF)の使い難さ
  3. 点光源のフレア

上記の欠点と、以下の魅力のトレードオフの判断が各人のX100の価値を決めると思う。

  1. 描写の素晴らしさ
  2. 高感度特性
  3. EVFの使いやすさ

あと以下の点も忘れずに書いておこう。

  • 露出はやや高めに感じる(GR Digital IIIでもそう感じる自分だが)
  • OVF/EVFの切り替えは面白い、楽しい!
  • AWBは非常に優秀

今回はマイナス・ポイント3点について。

(1)コマンドダイヤルの使い難さ

コマンドダイヤルの使い難さが、このカメラの良さをかなり打ち消してしまっている。コマンドダイヤルの外枠の出っ張りが操作の邪魔で仕方がない。

軍艦部のダイヤルの質感はLEICA X1より上。X1のようにカバンの中で数値が勝手に変わってしまうこともない(それが当たり前なんだろうが)。

シャッタースピードダイヤル、露出補正ダイヤル、シャッター横のFnボタン、前面の「巻き戻しスイッチ」もどきのファインダー切替レバー、後面のAFのエリア選択ボタンはどれも使いやすい。

だから殊更コマンドダイヤルの使いにくさが気になる。削ってしまいたい!有償でもいいので、ここだけ仕様変更して交換して欲しい。

(2)フォーカスリング(=MF)の使い難さ

・フォーカスリング

絞りリングの爪が邪魔になり、フォーカスリングが回し難い。それに加えてフォーカスを合わせるのにNOCTILUXより大きくリングを回さないといけない(AEL/AFLボタンで予めフォーカスを合わせておけば焦点を合わせる助けにはなるけれど・・・)。それからフォーカスリングを回してから、ピントがそれに追随までにラグタイムがある(気がする)

・MF

フォーカスチェック(拡大表示)機能は便利だが、ピントの山が今ひとつ掴み難い

上記2点から、自分にとってX100は積極的にMFで使うカメラには成り得ない。
AFは「オートエリア」(画面内のコントラストが高い被写体に自動的ピントを合わせてくれる)だと時々もたつく。しかし手動でピントをあわせるエリアを決める「エリア選択」にしておけば、スナップでも十分使える速さと精度だ。とは言え、コントラストが低いとピント合わせができないようなケースも時々あった。

結論:AFで使うか、絞って被写界深度を深くして焦点固定のMFでスナップを狙うか

(3)強い点光源のフレア

画面の中央以外(時にはフレーミングの外でも)に強い点光源があると

  • 開放時はエアスプレーを散布したような
  • 絞った時はレンズを重ねたような

それぞれ特徴的なフレアが出る。光源があまり強くない時には

  • 光源に丸い像が重なるフレアが発生

フレアの参考例

    下の3枚はほぼ同じ条件で絞り値を変えて撮影(F2.0、F5.6、F8.0)。

    オールドレンズならフレアを味として使うこともできるだろう。しかし最新のFUJIFILMのフラッグシップモデルにおいてはこのフレアは大きな弱点だと思う。
    ただしX100では、EVFで撮影前にフレアを確認できるのがせめてもの救い。
    X100はフードは別売りだが、このフレアの発生頻度を考えるとフードも同梱して欲しい(フードも品薄だったようで、注文してあったのを本日ようやく入手)。
    そうだ、EVFが使えるのだからPLフィルターを使ったら効果を確認して軽減できるだろうか(無責任・未確認)。

    その2に続く